深刻な考え事をしながら歩くとどこまでも歩けてしまう。
まるでテレビが流れているサウナならいつもより長く入れる気がするように。
ちょっと違うか。
昔から例えがヘタだと言われてきました。
最近はイベントが多くて書きたいことが溜まってるのでブログ欲が高まっております。
今日、初めてのジョブトライアルと面接がありまして、結論から言うとダメダメでした。
そのため打ちひしがれて歩いているとビックベンからバッキンガム宮殿まで1時間ほど彷徨いながら歩いてしまいました。誰しも経験ありますよね。この感じなんか既視感あるなと思うと飲み会終わりなら家まで歩いて帰れる、のあれですね。
今はコーヒーを淹れるお仕事がやってみたくて、バリスタでいろんなとこにアプライしてみました。当然バリスタの職務経験なんてないのですが、こっちでの就活は経験がものを言います。学校の先生に相談するとCV(履歴書)は盛れ!と日本の経験なんて誰もチェックせんから大丈夫!とのことだったのでバリスタを一年やったことにしました。
でも実は真っ赤の嘘というではなくて、珈琲は大好きでいろんな珈琲屋のマスターと話したり、著名な焙煎士の珈琲ワークショップに通ったり、毎日ドリップコーヒーを淹れたりと自分なりに知識と技術、哲学を持っていました。(今考えると恐ろしい)
大変立派なCVと(出来がものすごくよかった)アプライの時に聞かれた設問にとても上手く答えられたので書類審査をクリアしました。
トライアルに行ったカフェはMayfairにある有名店。Mayfairは日本で言うところの銀座みたいなとこらしく、地価が恐ろしく高いそう。
その中でもその店はドリップコーヒーを出してるロンドンでも希少なお店で、雰囲気もコーヒーも素晴らしかった。面接の二日前に下見に行った時にすげえとこに決まっちゃったなと武者震いしていた。
こんなとこで働けたらどんなにいいだろうと思ったので本気で挑んだ。
まず心配なのは英語力。
面接で何を聞かれるのか、どういう人材なら欲しいかを考えて英語で答えられるように必死で練習した。
次にトライアル対策。そもそもバリスタ経験がないのでどうしようもない部分はあれど、自分の知っている知識や技術の復習や珈琲用具の英語名を調べたり、イメージトレーニングをしたり。
当日を迎えた。
所定の時間に所定の格好で店に向かうとゴツい東欧系バリスタのお兄さんが担当だった。
面接ではどんな経験があるのか聞かせてくれといった定番のものからどんなコーヒーが好きなの?などの質問があったが練習の甲斐あってなんとか答えることができた。
自分のCVや経歴、夢が面白かったようで話は弾む。
インスタを交換してくれ!と言われたので交換すると coffee world champion の文字が。
え??
うーんなるほど。
バリスタであるならば、ドリップコーヒーのみならずエスプレッソやラテももちろん作り切らなければならない。数回しか作ったことがないので全然作れなかった。
電動ミルも、エスプレッソマシンにも慣れていない。
スチームドミルク作るときにミルクを撒き散らす始末。
それならばとドリップコーヒー作ってみろと言うことになった。
ここで決まるなと直感的に感じた。
お店のメソッドを教えてもらったが明らかに自分が学んできたものとのギャップがあった。
緊張しながらも作り始めたが途中で何かがおかしいと感じた。英語の聞き間違いで手順を間違えてしまったのだ。味の出来は最悪で、終わったと思ったが失敗したと正直に伝えると、もう一度やってみようと言ってくれた。
2回目のドリップ
どうするか迷った。このままやっても美味いのができる気がしない。挽回のために思い切って自分のメソッドでやるか?これなら自信がある。やるなと思わせたい。しかし変えてもいいのか?どうする...
悩んでる時間はない。そこで自分が取った行動は、基本路線はお店のメソッドで行きつつ、自分なりにここはこうしたがいいだろうというとこはアレンジを加えると言うものだった。
取捨選択が難しい上に中途半端であった。結果的に最悪の手段を選んでしまった。
味は改善したものの、めちゃくちゃぼやけた。おいしくはない。それに言われたことと、違うことをしてるのがマイナス評価になったことを空気的に感じた。
そしたらもう一度チャンスをくれた。おそらく期待してくれてたんだと思う。
3回目のドリップ。
こうなったらもうお店のマニュアルにそのまま従おうと腹を括った。
そもそも働くのであれば、同じクオリティのものを出せないと働けない。
味は輪郭が出て良くなったが後からくる酸味が最悪だった。
後から聞くと、全体の抽出時間が短かったようだ。
こうして初めてのトライアルは終了した。
コーヒーとサンドをもらいながらフィードバックを聴くとやはりバリスタとしては厳しいと。
めっちゃ悔しかったし、落ち込んだ。
態度に出てしまい、そうナーバスになるなと彼は何度も言ってくれた。本当にここでコーヒーを学びたいなと思っていたからこそ自分でも驚くほど動揺してしまった。
彼はものすごくいい人で親身に話をしてくれた。
ちょっと外に行こうと、公園まで僕らは歩いた。
「俺はウクライナ キーウ出身で戦争の影響で英語力ゼロの状態から働き始めたから英語力は問題じゃない。バリスタを始めるならもう少し落ち着いたとこから始めた方が君のためだと思うが、本当にここで働きたいのなら、フロントスタッフであれば可能性はあるかもしれない。
そしたら君にバリスタの仕事を静かな時に教えれる。俺はありのままをマネージャーに報告するから判断するのは彼だけどそれでもいいか?」と。
優しさ染みたぁ。
彼の人間性が素晴らしいことは言うまでもないが、自分がそこまで言わせる何かがあることも理解した。俺がやっていることの基本的な姿勢は間違ってないんだろう。人への気配り、謙虚に、感謝忘れない。
自己肯定感は高いす。けど驕ってはいけない。紙一重。注意ゼッタイ。
頑張ってればチャンスは転がってくる。それを掴むかは自分次第。
帰り道に生きてるわーと感じた。欲しかったのはこの感覚かもしれない。人間はないものねだり。贅沢やね。
今回は失敗したが、要因は壁が高すぎた。履いてる下駄が違うもの履いてる。間違えて竹馬に乗ってた。反省反省。
帰りに寄ったとこの写真を最後に。